【応急処置】
やけどはすぐ冷やす
→病院に行く目安
やけどをしたときの対処法

- 冷たい流水で10~30分ほど冷やす
- その後、冷たい濡れタオルで患部を冷やしながら、医療機関を受診する
※衣類の下にやけどを負った場合は、服を脱がす、その上から流水・濡れタオルで冷やしてください。無理に脱ぐと、損傷の範囲が広くなる・深くなるおそれがあります。
医療機関へ行く目安
次のような場合は医療機関を速やかに受診しましょう。
- 範囲が広い
- やけどを負った部位に痛みがない
- 顔や関節、手の甲や足の甲のやけど
- 薬品など化学物質によるやけど
- やけどを負った部位が黒くまたは白くなっている
- 幼児、高齢者の場合は程度に関係なく
やけどは跡が残る?深さと重症度
やけどの跡が残るかどうかは、やけどの重症度(損傷の深さ)によって予測ができます。
1Ⅰ度(ED)
浅いやけどです。損傷は表皮のみに留まります。皮膚の赤み、ヒリヒリとした痛みを伴います。
ほとんどの場合、1週間程度できれいに治ります。
2Ⅱ度(SDB)
中等度のやけどです。真皮の浅いところまで損傷しています。やけどを負った部位に赤み、水ぶくれ、痛みが生じます。
通常は2週間程度で治り、傷跡は徐々に薄く・目立たなくなります。
3Ⅱ度(DDB)
中等度のやけどのうち、真皮の深い層にまで損傷が及んだものです。水ぶくれの底が白く、痛みは軽度のことも多くあります。
通常、3~4週間で落ち着きますが、肥厚性瘢痕やケロイドなどの傷跡が残ることがあります。
4Ⅲ度(DB)
皮下までに及ぶ重度のやけどです。皮膚が黒くなるまたは白くなるという特徴があり、痛みを感じないことが多くあります。
治癒には3カ月以上を要し、肥厚性瘢痕やケロイドが残る可能性が高くなります。皮膚移植が必要になることもあります。
やけどの水ぶくれ
やけどで水ぶくれができるのはなぜ?
やけどを負い皮膚が傷ついた時、表皮内などでタンパク質・水分が混ざった液体が溜まります。これが水ぶくれです。皮膚の正常な反応であり、傷の修復を促すものであるため、触らない・破らないようにしましょう。
水ぶくれが破れた時の対処法
とはいえ、注意をしていても水ぶくれが破れてしまうことがあります。
漏れた液体は、清潔なガーゼで軽く抑えて拭き取ってください。破れてヒラヒラになった皮は剥がさずになるべく元に戻し、ワセリンを塗って保護して医療機関を受診します。
絆創膏やガーゼによる保護では、その交換の際に皮膚がむけたり、痛みを感じることがあるため、傷にひっつきにくい素材の創傷被覆材(キッチン用のラップで代用されることもありますが使用方法に注意が必要です)の使用が推奨されます。
一般に、医療機関では抗生物質を含む軟膏・クリームなどが処方されます。これらの使用により、感染を防ぎながら、早期治癒を目指せます。
やけどが悪化するとどうなる?
やけどを負ったにもかかわらず適切な治療を受けないでいると、治癒までに余計に時間がかかり、きれいに治らない(跡が残る)可能性が高くなります。
深いやけど・広範囲のやけどの場合、創傷に対する治療に加えて、熱傷に伴うショックや感染など全身状態に対する治療(点滴等)が必要になり、これが遅れると命にかかわる事態を招くこともあります。
当院で行うやけどの治療方法
ステロイド外用剤
やけどに伴う炎症を抑えることを目的として、ステロイド外用剤を使用します。
使用期間は、受傷直後から炎症が鎮まるまでの短期間に留めます。
ご自身の判断で長期的に使用を続けると、逆に治りが遅くなったり、副作用が強く現れるおそれがあるため、医師の指示に従って正しく使うようにしてください。
外用剤・スプレー剤
やけどの深さ、感染リスクなどに応じて、傷を保護する薬・感染を予防する薬・治癒を促進する薬・壊死した組織の脱落を促す薬などを外用します。
貼付剤
貼付剤は、やけどの傷が治りやすい環境を調整・維持することを主な目的として使用します。
用法・用量を守り、むやみに交換しないようにしてください。あまり頻繁に交換すると、かえって治りが遅くなることがあります。
外科処置
重度のやけどに対しては、植皮、壊死した組織の切除などが行われることがあります。
またひきつれが起こりやすい関節のやけどに対しても、ひきつれを防ぐための手術が検討されます。
やけどのよくあるご質問
やけどがヒリヒリ痛いのは、いつまで続きますか?
表皮に留まるⅠ度のやけどであれば、ヒリヒリした痛みは数日程度で治まります。
真皮の浅い部位までのⅡ度やけど(SDB)であれば1~2週間、真皮の深い層までのⅡ度やけど(DDB)であれば約1カ月、ヒリヒリ感が続きます。
やけどを冷やしていないと痛いのですが…
やけどを負うと、熱源からすぐに離れても、皮膚が受けた損傷に伴い炎症が起きます。この炎症が痛みの原因です。
流水などで冷やすことで炎症を抑えると、痛みも軽くなります。
やけどした所にオロナイン軟膏を塗っていいですか?
オロナインは、消毒の成分を含んだ軟膏です。やけどにも使用可能とのことですが、一般的に病院で使用される軟膏とは少し異なります。塗ってはいけないということはありませんが、それで治療完了とは考えず、医療機関を受診するようにしてください。
ご自宅でできる対処としては、オロナイン軟膏よりもワセリンの使用をおすすめします。
やけどにキズパワーパッドは効きますか?
キズパワーパッドは、傷からの滲出液を吸収して湿潤環境の調整と維持をする目的に使用します。そのため滲出液が出ず皮膚の赤み・痛みに留まるⅠ度のやけどであれば、キズパワーパッドを使用する必要はありません。
一方で、真皮に達するⅡ度以上のやけどでは効果が期待できる場合もありますが、滲出液が多すぎる場合などでは逆効果になるおそれもあるため、自己判断でのキズパワーパッドの使用はおすすめしません。Ⅰ度だと思われても、やけどは思ったよりも深いことがよくありますので、医療機関の受診をおすすめ致します。